リアエントリー付きスキーブーツはなぜ快適にはけるのか、その仕組みを解説!

今回は快適な特殊機能のあるブーツとして 「リアエントリー」「ミッドエントリー 」「ウォークモード付ブーツ」の紹介をしていきます。

進化したリアエントリー

進化したリアエントリー

40歳以上のスキーヤーなら聞き覚えはあると思います。
90年代初旬、リアエントリーブーツは、一世を風靡し上級者でもリアエントリーブーツを履いている時代がありました。
「サロモン SX91 EQUIPE」「ノルディカ 757」などがリアエントリーブーツの代表モデルに上げられます。
特徴はブーツが、フロントシェルと、リアシェルに分かれており、ブーツを履く時に、リア部のシェルを大きく開放することで、足入れが非常にしやすく、簡単に履けることでした。
当時はトップ機種ということもあり、沢山の調整機能がブーツに装備されていました。それなのになぜ、店頭に並ぶ数が減ったかというと
カービングスキーが台頭し、リアエントリーブーツは一時、世の中から姿を消していました。
それでも、リアエントリーブーツを求める声は、少なからずあり、ミッドエントリー・ソフトシェルなど、メーカーも操作性と快適性の両立に試行錯誤を重ねてきました。
スキーも多様化し、レース・DEMO・だけでなくバックカントリーやサイドカントリーなど、日本でも様々な楽しみ方が増えてきました。
その中で再び快適性に特化したレジャーブーツが脚光を浴びるようになりました。
スキーをする時の1つの悩みが、ブーツが履きづらい、足が痛いということです。この悩みを抱えるスキーヤーは多く、快適性に特化し、軽量で疲れにくい進化したリアエントリーブーツが復活しました。

リアエントリーブーツの紹介

アトミック SAVOR(セイヴァー)シリーズ

アトミック SAVOR(セイヴァー)シリーズ

2020年モデル~販売開始。
プロライト構造を採用し、ブーツの無駄を省き25%もの軽量化に成功。ハンズフリーで足入れが可能です。
サイドについたラチェットバックルは片手でも締め付け操作が可能で、リア部はラチェットを開放することで後ろに動くため簡単に歩けます。
フレックスは75~90と中級者層やシニア層が使いやすい硬さを想定し開発されました。
「SAVORシリーズ」は、カービングにかぎらず快適に1日中スキーがしたいスキーヤーにお薦めです。

SAVORシリーズはこちら

NORDICA  HFシリーズ

NORDICA  HFシリーズ

2021年モデルより販売開始。
スキーは斜面を滑走するだけでなく、時には雪上を歩き回ったり、美味しいレストランで食事をしたり、駐車場から歩いたり、全ての状況がスキ-に含まれます。
新開発されたHFシリーズは、全ての状況で快適に過ごせるようグリップウォークソールを採用。
ストックを使用したり、足を使う事でハンズフリーでも履くことが可能なリアバックルを採用しています。
またブーツの開口部も40度と大きく、立ったまま5秒で足入れが可能です。
HFシリーズは中上級者を想定し作られており、フレックスレンジはメンズで90と110の2モデル。レディースで75と85の2モデルで構成されています。
従来のリアエントリーのインナーは、リアとフロントに分かれていたため、縫い目など不快に感じることがありました。
ノルディカのHFシリーズはワンピース構造のリアエントリー用インナーを開発。上級機種にはコルクフィットを採用し、快適性だけでなくフィット感を両立させました。
操作面では2つのヒンジが独自の方法でブーツを締め付け、その2つのヒンジにより スキーへの素早いレスポンスが可能になり、簡単にコントロールが出来ます。

 

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NORDICA GRANTOUR(グランツアー)

NORDICA GRANTOUR(グランツアー)

カタログ外商品 日本正規品
従来のリアエントリーブーツを継承したOLDスタイルのリアエントリーブーツ。
締め付け方法は3点。
レバーの締め付け部分で『ふくらはぎ』の調整。 調整ダイヤルで甲の締め付け。更に甲部は締め付け調整用のレバーを装備し、快適ななかにも きちんとしたフィット感を実現しています。
背面部のレバーを上げれば甲部の締め付けも自動的にリリースし、ブーツの着脱が非常に簡単です。
ブーツを履く時の悩みをお持ちの方や、1日快適にスキーを楽しみたい レジャースキーヤーには最適なブーツです。

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ミッドエントリーブーツのご紹介

リアエントリーブーツのように履きやすく、フロントバックルブーツのような操作性を求め、リアエントリーのブーツの後に開発されたのがミッドエントリーブーツです。
当時の代表機種は「NORDICA SYNTEC」「SALOMON INTEGRAL EQUIPE」。こちらも最上級機種としてラインナップされていました。
現在のミッドエントリーブーツは、1機種のみ。「HEAD CUBE3」シリーズで、快適性の要素が強いブーツになっております。
このブーツの特徴は、唯一無二の機能として、オートウォークモードを搭載。 スキーを履いていない時は、ウォークモード状態で歩きやすく、スキー装着と同時にスキーモードに切り替わります。
ラスト幅もワイドな106㎜。現在販売されているブーツの中でも1・2位を争う幅広な作りのため、どんな方が履いても快適に過ごせること間違いなしです。
ラインナップはレディースで60/80、メンズで70/90と初中級者向けの快適志向のブーツです。
背面も大きく開く構造になっているので足入れも簡単です。

ウォークモード付ブーツのご紹介

現在最も多様化している分野が、ウォークモード搭載のスキーブーツです。
ウォークモードの機構は非常に簡単な構造になっており 背面部分に装着された、レバーなどで、滑走時はアッパーシェル(上部のシェル)とロアシェル(下のシェル)をロックし ウォークモード使用時はロックを解除する事で、背面が後ろに動くようになります。
通常アルペンのスキーブーツだと前にしか動かないように設計されていますので、常に膝が前に押される形となり、立ちにくく歩きづらいですが、ブーツの背面が後ろに動くことで、足が伸びて立ちやすく、ラクに歩行できるようになります。
ウォークモード付のブーツの選び方は、用途や目的によって異なります。

以下の3タイプに分類されます。

  • ツアー用に開発された本格的に歩くことに適したブーツ
  • バックカントリースキーを目的とし、登る事・滑る事を両立させたブーツ
  • 初心者・中級が快適に過ごせる様に開発されたエントリー層向けブーツ

単に快適な機能だけでは無く目的や使用するスキーによって選択するブーツも異なります。

ウォークモード付ブーツ一覧はこちら

ツアー用のブーツの特徴

ツアー用のブーツの特徴

ツアー用のブーツは歩くことに特化しながらも、未圧雪の雪山を滑り降りるための機能を両立させています。
コンパクトかつ軽量な商品が多くコスト面でも非常に高価です。
代表的な商品は、「ATOMIC BACKLAND」シリーズや、「DYNAFIT」「SCARPA」など山スキーのメーカーが多いのも特徴です。
金具も軽量のため、TNTビンディングを採用。ブーツもTNTに対応した仕様になっているのが特徴です。
FLEXもツアーを考慮し90~110ぐらいの商品構成になっています。

バックカントリーブーツの特徴

バックカントリーブーツの特徴

ツアー用のブーツとの大きな違いは、ツアーよりも滑走に重点を置いた構造になっている点です。
メーカーによってはアルペンブーツを改良しアルペンの操作性能に、歩きやすさをプラスした商品もあります。
代表的なモデルは、「ATOMIC XTD」「TECNICA COCHISE」「K2」「MINDBENDER」「SALOMON」「SHIFT」など。
見ためもスリムなツアー用ブーツと異なりアルペンブーツに近くなっています。特に最近では軽量化が進み、どのメーカーのモデルも以前のブーツと比較して雲泥の差です。
山を登って滑るということは、ある程度滑れる中上級者であることを考慮し フレックスレンジは100~130が中心になります。
また上級機種はTNTバインディング対応の商品も多いのでツアーの中で滑走を重視したい方には このタイプのブーツがお薦めです。

快適性を重視したウォークモード

快適性を重視したウォークモード

最後は快適性を重視したウォークモード付ブーツです。
海外では、家を出た時からスキーブーツを履いてスキー場に出発し、そのまま滑走したり食事に出かけたり、歩くこともスキーの一部になっているようです。
近年グリップウォークという歩きやすい機能を搭載したブーツが主流となり ウォークモード搭載の初中級者用の快適なブーツは減少してきています。
代表的なモデルは「SALOMON QST ACCSESS」シリーズ、「HEAD CUBE」シリーズ の2機種となっています。
フレックスレンジは初中級者モデルということもあり、柔らかモデルが中心で60~90ぐらいまででラインナップされています。
ブーツラスト(幅)もワイドになっており 1日中スキー靴を履いて居ても疲れ無い快適な履き心地の商品になっています。

今回は快適にスキーを楽しむため、特殊な機能を持つブーツとして、リアエントリー・ミッドエントリー・ウォークモードを紹介させて頂きました。
ゲレンデを颯爽と滑り降りるのもよし、ゲレンデサイドでゆっくり休憩しながら滑るのもよし、山を登って景色を楽しむのもよし、自分自身のスタイルにあったブーツを是非探してみてください。

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