スキーブーツサイズの選び方は何を基準にしたらいい!?硬さ(フレックス)?

スキーの技術レベル?機能?・・・全て大事なんです!!

スキーブーツを選ぶ際に必要なポイントは大きく分けて4つ!

  • 正しいサイズ感やフィット性
  • ブーツの硬さ(硬度/フレックス)
  • スキーの技術レベルやニーズ(やりたいスキースタイル)
  • スキーブーツに備えついている特殊機能

以上の4つのポイントを踏まえて選ぶことで、より理想のマイブーツを見つける事が出来るはず!
スキーブーツは何となくや、見た目(デザイン)だけで選んでしまうと取り返しのつかないことになる可能性もあるので、是非最後まで読んでみて下さい。

正しいサイズ感とフィット性を重視しよう!

正しいサイズ感とフィット性を重視しよう!

スキーブーツには、主に二種類のサイズが表記されています。縦(カカトからつま先)の内寸のサイズと、ラスト幅(横幅)のサイズの二種類があり、適正なサイズを選ぶ為に大切な数値となります。
また、スキーブーツのサイズ表記は特殊で、縦の内寸については0.5㎝ピッチで表記していても、実際には1㎝刻みでしか展開していないのでご注意を!
例)25㎝/25.5㎝は内寸共通サイズ 25.5㎝/26㎝はまるまる1㎝内寸が違います ハーフサイズ(~.5㎝)は基本的に、中敷きの厚みを変えることで着圧調整しているので縦の内寸は共通になります。
※他にもソール長(スキーブーツの外寸)もありますが、スキーブーツの選び方では省略致します。

それでは実際に選ぶサイズ感ですが、よく、『普段履いているシューズやスニーカーと一緒のサイズでいいんですよね?』と聞かれますが、それは間違いです!
普段靴から実寸ピッタリで履かれている場合は良いのですが、足幅(横幅)に合わせて実寸よりも上のサイズを履かれる場合が多いので、しっかりと測り直すことをオススメします。
ここで必要になってくるサイズは、カカトからつま先までの長さ(足長)と、小指球側面から母指球側面までの幅(ラスト幅/横幅)の二種類。足長とラスト幅を測ると、スキーブーツ選びもよりスムーズに!
スキーブーツの正しいサイズ感ですが、大きく次の4つ、『キッズ、成長期の子供』『初中級者、快適志向』『上達志向、レース・エキスパート』『レディース』に分けることが出来ます。

キッズ・税長期のお子様

成長段階につきピッタリのサイズ選びが非常に難しいカテゴリーです。縦の内寸に関しては、実寸ピッタリで選んでしまうとすぐにサイズアウトしてしまうケースがあります。
年齢にもよりますが、実寸から大きく見積もって約2㎝アップを限度に選ぶのが良いでしょう。その代わり、甲周りが空き過ぎると足がスキーブーツ内で動き過ぎてしまい、滑りにくくする原因となりますので、着圧調整できるシートやパット、またはインソール等入れることをオススメします

ラスト幅に関しては、実寸よりも大きめのサイズを選択していることと、殆どのジュニアスキーブーツはラスト幅にバラつきがないので、主にスキーブーツの縦の内寸に注意して選びましょう。

サイズ例
実寸20㎝→22㎝ or 22.5cm
実寸20.5㎝→22.5㎝〇23㎝×

お勧めのパット・インソールはこちら<

初級者/快適思考

高度な技術を要する高い操作性重視ではなく、足入れがし易く尚且つちょうど良いフィット感や、快適志向を重視するので、縦の内寸に関しては、実寸から1~2㎝のサイズアップをオススメします。
男性の場合、足首周りのボリュームがある方が多いので、足首が太い方や甲周りのボリュームのある方に関しては、足首がしっかりと留まるので実寸から2㎝アップを許容とします。
ただし、あまりサイズを上げ過ぎると、スキーブーツの中で足が動き過ぎることよる当たり(骨や関節の隆起部分がブーツにぶつかる)が出る原因にもなるので、1㎝アップまでに収めることが出来る方が理想的となります。
ラスト幅に関しては、ゆったりとしたモールドの100~106mm程のスキーブーツを選ぶ事をオススメします。

サイズ例
(1㎝アップの場合)
実寸25㎝→26㎝ or 26.5㎝
実寸25.5㎝→26.5㎝〇27㎝×

(2㎝アップの場合)
実寸25㎝→27.0㎝ or 27.5㎝
実寸25.5㎝→27.5㎝〇28㎝×

サイズアップ時の調整アイテムや快適志向スキーヤーオススメアイテムはこちら

 

上達志向/レース/エキスパート

高速域での滑走や、精度の高い操作性が求められるので、サイズ感はなるべく実寸に近いものをオススメします。
縦の内寸をミニマムに抑えることで、スキー板を押す支点(スキーブーツのソール面)が狭くなり、よりスキー板のたわみを生み出し易くします。
レーシングシーンに近付くほどシビアなセッティングが必要になってくるので、指先(親指)が曲がらない程度にチャレンジしてみるのも有りかと!
ラスト幅に関しては、横方向(角付け)の運動にも敏感な92~99mmが理想的なので、実寸の足幅をベースに選ぶことは難しくなります。
とは言うものの、スキーブーツに足の幅を合わせるのは限界があるので、そういった方にはスキーブーツのチューンナップをオススメします。

サイズ例
(上達志向)
実寸25㎝→25㎝ or 25.5㎝
実寸25.3㎝→25.5㎝
実寸25.8㎝→26㎝

(レース・エキスパート)
実寸25㎝→25㎝ or 25.5㎝
実寸25.3㎝→25㎝ or 25.5㎝
実寸25.8㎝→25㎝ or 25.5㎝

タナベチューンナップサービスタナベカスタムインソール

レディース

レディースブーツは足のボリュームが鍵となります。
例えば、幅広でも足首周りやカカトの骨が細いなど、幅とボリュームのギャップが一番大きいのが女性の方で多い特徴となります。
縦の内寸が小さくなると、もちろん全体的にサイズ感は下がるので、足首周りからカカトにかけてホールドし易くなります。
以上のことから、縦の内寸はなるべく実寸に近いものをベースに、足幅に合わせてモデルを選ぶのが良いでしょう!
また女性のサイズアップを進めない理由として、大きいサイズのスキーブーツを選ばれると脛を痛める傾向があることも挙げられます。
理由としては、カカトが男性に比べ細い為、後方への収まりが良くなり脛の前の空間が空いてしまい、脛の前傾がきつくなりスキーブーツにもたれ掛かることによるストレスで痛めることがあります。
以上の理由からなるべく実寸に近いサイズをオススメします!

サイズ例
(女性幅狭)
実寸22㎝→22㎝ or 22.5㎝
実寸22.5㎝→22.5㎝〇23㎝△
ラスト幅98~100mm推奨

(女性幅広)
実寸22㎝→22㎝ or 22.5㎝
実寸22.5㎝→22.5㎝〇23㎝△
ラスト幅101~105mm推奨

女性にオススメの保護アイテムやオススメインソールはこちら

長くなりましたが、以上が各パターンでのサイズ選びの目安となります。

ブーツの硬さ(硬度/フレックス)を理解しよう!

ブーツの硬さ(硬度/フレックス)を理解しよう!

スキーブーツ選びには、硬度(フレックス)が付き物です。まずはスキーブーツの硬度について理解しましょう!
ブーツの硬さ(フレックス)は主にブーツの曲げ剛性(曲げた時の硬さ)を表していますが、あくまで原材料の硬度の為、曲げ剛性だけで無く、サイドの剛性やソールの剛性も数値が違うと変化してきます。

柔らかいスキーブーツのメリット・デメリット

どのスポーツにも言えますが、上級者になれば上体をほぼ動かさず足元だけでバランスは取れると思いますが、初心者はどうでしょう。
大きく体を動かしてバランスを取ると思います。柔らかいブーツのメリットは前後動が使いやすくバランスを取りやすい事に有ります。
上級者でも、モーグルやフリースタイルスキーの場合は、前後動を多用しますので比較的柔らかめのブーツを選ぶことが多くなります。
デメリットとしてはパワー伝達能力が低いことです。
スキー板に伝える力が少ないと、スキー板を上手くたわませることが出来ません。
また雪面から伝わる振動も抑えることが難しくなります。雪面が荒れた時は振動を抑えるため、より多くの力を必要とします。

硬いスキーブーツのメリット・デメリット

硬いスキーブーツのメリットは高いパワー伝達能力で、始めにお伝えした通りサイド剛性やソールの剛性も上がるので、滑走中の切れ感やパワーを多くスキー板に伝える事で走りも上がります。
荒れた雪面では、スキー板のトップ部分を抑える事が出来るので、比較的少ない力でスキー板を安定させる事が出来ます。
デメリットは、柔らかいブーツのメリットと逆にバランスの取りにくさになります。
スキー板にパワーを伝える時には最適な膝の角度が存在するので、その角度まで動かなければなりません。

自分のスキーレベル以上の硬いスキーブーツを使用した場合、膝を前に曲げることが出来ず、パワー伝達時に、後方(山側)に腰がおちてしまい後傾姿勢になります。
後傾姿勢になることで、スキー板が落下方向に走り、体が後方(山側)に残されるので、スキー板のコントロールを失ってしまいます。
また立ちっぱなしになってしまうと、スキーに力を伝えることが出来ず、思うようにコントロール出来なくなります。
  

自身のスキーレベルに有ったブーツを選ぶ事は上達の近道となります!

スキーの技術レベルやニーズ(やりたいスキースタイル)に合わせた硬度(フレックス)を見極めよう!

スキーの技術レベルやニーズに合わせたフレックス

スキーブーツの適正な硬度(フレックス)は、スキーレベルとニーズ(やりたいスキースタイル)によって異なってくるのと、体格や性別・脚力によっても異なります。
また、女性(レディース)モデルの場合は、女性の体格・脚力を考慮したフレックス数値を当てはめます。

ユニセックス
  • 初級者 フレックス70以下
  • 中級者(SAJ2級程度) フレックス80~100
  • 上級者(SAJ1級程度) フレックス100~130
  • エキスパート(SAJテクニカル・クラウンレベル) フレックス130以上
  • 競技(レーシング) フレックス130以上

初中級レベルはこちらから

上級・レーシングはこちらから

レディース
  • 初級者 フレックス60以下
  • 中級者 フレックス70~80
  • 上級者 フレックス90以上

レディースモデル

ジュニア
  • 小学低学年 KIDSモデルフレックス65以下
  • 小学中学年 ジュニア競技モデルフレックス70~90
  • 小学高学年~中学入学 ジュニア競技モデルフレックス90~110

※あくまで目安となるので、コーチや専門スタッフに相談して決めることをオススメします。

Jr.レーシング低学年モデル

Jr.レーシング中学年以上モデル

フリースタイル

体格や性別・脚力によって異なりますが、比較的フリースタイル、モーグルにおいては、上級レベルのスキーブーツでも柔らかめの設計のものが多いです。
また、バックカントリースキーにおいては、ユニセックスモデル同様レベル毎にすみ分けますが、あくまでコース外滑走がメインとなるので上級者向けの設計になります。

フリースタイル/モーグルモデル

バックカントリーモデル

上記が目安となりますが、自分自身の体格・脚力・目的や頻度も考慮して選ぶ必要があります。自分が目指すスキースタイル、2年後~3年後の自分自身のスキーレベルを考慮し選ぶと良いでしょう!

例1)スキー部に入部した初心者
今のレベルは初心者ですが、合宿等でスキーレベルは急激に上昇します。
初心者モデルを購入すると、その年の内に使えなくなります。
90~100フレックスのブーツを購入するのが妥当です。

例2)年1~2回程度の中級レジャースキーヤー
上記の表とほぼ同様の数値で80~90フレックス迄で購入するのが妥当です。

スキーブーツに備えついている特殊機能を探してみよう!

スキーブーツに備えついている特殊機能を探してみよう!

スキーブーツの特殊機能って何?と思われた方も少なくないでしょう! スキーブーツには、金具(バックル)やパワーベルト、止水加工(止水ゴム)と共通の機能を備え付けています。その中でも、他と共通しない、特殊な機能を備え付けたモデルもあります。 その中でも代表的な機能をご紹介します!

熱成形

熱成形イメージ

熱成形機能とは、名前の通り熱を加えてスキーブーツ本体を成形する機能になります。
熱成形は大きく分けて二種類、サーモインナーと熱成形シェルです。

サーモインナーはインナーブーツの熱成形機能となります。インナーブーツを温風で温めることで、内部のパットやスポンジが膨張した状態で足入れをすることで、足型になじませることが出来る機能です。
骨の位置に干渉する部分は押し潰れてくれるので、フィット感も向上します!近年サーモインナーを採用しているメーカーも多いので、機能もチェックしてみましょう!

熱成形シェルはかなり特殊な加工機能で、80℃~120℃の高温でブーツを温め、形を成形します。
サーモインナーと同じく温めたスキーブーツに足入れをして、広げるもしくは縮めることが出来ます。
ただ、縮めることが出来るメーカーは一社だけなので、主に広げることが目的となります。
広がる幅ですが、モデルによっては最大6mm伸びるモデルもあります。ラスト幅の狭いモデルでも6mm広がればかなり履きやすくなりますね!

SALOMON Custom Shell

ATOMIC Memory Fit

HEAD FORM FIT

FISCHER VACUUM

ハイクモード

ハイクモード

ハイクモードとは別名WALK MODE(ウォークモード)とも呼ばれ、機能としては歩く際の可動域補助を行ってくれます。
スキーブーツは前傾角といって、脛方向(つま先方向)に10°~18°程前傾しており、その設計以上に背面方向に起きない様出来ています。
簡単に言うと、常に軽く膝が曲がった状態になっているのです。歩行時、足の構造上、後方側の足首は開くので、スキーブーツを履くと歩きにくくなります。
その時に役に立つのがハイクモードです!スキーブーツ背面に取り付けられているレバー(切り替えスイッチ)を調整すると、背面方向にもスキーブーツが可動し、歩きやすくなります。

主に取り付けられているモデルは初中級オールラウンドモデルかバックカントリーモデルになります。
初中級モデルに取り付けられている理由として、スキーというシュチュエーションをより簡単で快適に過ごせるよう歩きやすく、柔らかいフレックスの初中級モデルに搭載しています。
メインの大切な機能として取り付けているのはバックカントリーモデル。バックカントリーはスキー板を履いたままハイクアップするシュチュエーションが多いので、前傾がついたままのスキーブーツではかなり疲れます。なので、バックカントリーモデルのスキーブーツには全てハイクモードが搭載されています!

スキーブーツの特殊機能にも目を向けて選ぶと、よりフィットさせ易くニーズに合ったスキーブーツが見つけられるはず! 是非検索キーワードにちょい足ししてみて下さい!

バックカントリースキーブーツ

ハイクモードスキーブーツ

スキーブーツ選びには、様々な必要要素があります。まずは適切なサイズ感を知って、何となくではなくしっかりと足のサイズを測るところから始めましょう!
そしてスキーブーツのフレックスをしっかりと理解し、自身のスキーレベルやこれからやりたいスキースタイルに合わせたモデルをチョイスすることで理想のスキーブーツに出会えるかも!
また、検索する時には『スキーブーツ』だけではなく、『スキーブーツ ~機能』等入力してみると、欲しい機能も見つかるかもしれません!

スキーブーツ選びは中々難しいところもありますが、雰囲気やデザインだけで選んでしまうと後悔してしまうケースもあるので、ちゃんと選びましょう!そして分からないところがあればすぐに問い合わせることも大事です!
長々となりましたがスキーブーツ選びの参考にお使いください!

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