塗ると塗らないとでは大違い!SKI WAX(スキーワックス)

スキーシーンでよく出てくる「スキーワックス / SKI WAX」の言葉。
ワックスはスキーをするには必需品!と思われている方がほとんどだと思います。
しかし、店頭でお客様からお聞きするのが 「塗っても塗らなくても一緒・・・」 「塗る意味がわからない?」 「そんなにスピード出さないから・・・」などなど。
そこでこの項ではスキーワックスを塗る意味や塗り方、種類などをお伝えしていきたいと思います。

ワックスを塗るとどうなる?

ワックスを塗るとどうなる?

「塗った場合のメリット」

滑走性が良くなる
スキーのソール(滑走面)はワックスを塗らないままにしておくと人の肌と同じくカサカサの状態、毛羽立った状態になり雪に対して抵抗するようになります。
ワックスを塗ることにより滑らかになり雪に対しての抵抗を少なくすることになるのです。
特に春は日本特有の黄砂、花粉が混ざった雪質でもしっかりとワックスを塗っていると引っかかるような感覚もなくなりスムーズです。
スキーの上達の手助けになる
説明
項目
どのメーカーのスキーもワックスを塗ることによってそのスキーの最大限の機能、能力を引き出せるようにできています。
せっかく高価なスキーを買ったとしてもそれが無駄になってしまうのです。
スキーを長持ちさせる
「滑走性が良くなる」でお話ししたワックスを塗らないと滑走面がカサカサになり、ほっておくとひどい場合は、カサカサがひどくなり修復不可能になる場合もあります。これはスキーのメンテナンスの意味もあるのです。

「塗らなかった場合のデメリット」

滑走性が悪くなる
スキーの滑走性が悪くなるということは、スピードが出にくいということ、スキーレベルの上下に関係なくご自身の得意なスピード、気持ちの良いスピードまでもっていくためには時間がかかるということです。
同様にすぐに減速してしまいます。
すぐ減速するということは気持ちの良いスピードをたもてなくなります。
また平坦なところですぐストックワークをしないといけなくなりスキーとは別のことで体力を使うことになります。
スキーの上達の妨げになる
ワックスを塗っていないと、スキーのパフォーマンスがちぐはぐになり、本来持っているスキー板のスペックが発揮されません。
スキーの寿命が短くなる
スキーのソールはワックスを塗らないと使い物にならなくなります。
ワックスを塗られている方はわかると思いますがワックスを塗って保管しておくともれなく表面が白くなっていると思います。
それはスキーに塗ったワックスが「酸化」している状態であり、酸化したワックスは劣化し使い物にならなくなっています。
ということは・・・ワックスを塗っていないとそれが直に滑走面の酸化、劣化に繋がりスキーの寿命を減らすことになるのです。

ワックスの塗り方の種類

ワックスの塗り方の種類

①簡易ワックスで簡単ワックス!

まず「簡易ワックス」とは主にスプレータイプのワックスのことで、スプレーの先がスポンジになっており滑走面に押し当てるとスポンジを伝わってワックスが染み出てくるもののことをさします。
塗り方としてはスポンジ部分で滑走面全体に塗り、塗ったあと付属のコルクで伸ばせば基本的にはOKですが、さらに滑走性を上げたい場合は、ブラシ等で磨いていただくと余分なワックスが剥がれ滑走性が増します。
しかし簡易ワックスの場合はワックス効果の持ちがそれほどなくリフト1本,2本ごとに塗るのがベストです。

②ホットワックスで最高の滑走性&長持ち効果!

「ホットワックス」とは固形のワックスを専用アイロンで溶かし、滑走面に浸透させながらワックスを塗る方法のことをさします。
滑走面に染み込ませ、スキー中にそれが染み出してくるというイメージです。
「簡易ワックス」とは違い専用用具や時間、手間がかかりますが効果は絶大で、ホットワックスの効果を体感するとやめられなくなり、奥が深いスキーの世界の1つでもあります。
1回すれば1日や2日は効果がつづき、効果が落ちたかな?と思えばホットワックスを再度するのがベストですが「簡易ワックス」を塗るだけでも下地ができているので「簡易ワックス」だけの場合と比べて効果は高いので1泊2泊のスキー旅行の場合はおすすめです。

ホットワックスの工程はまた別の項で!

③ 固形ワックスの生塗り

ホットワックスに使う固形のワックスの直塗り、生塗りもやり方としてはあるのですが・・・ 正直、やらないよりマシと考えていただいた方がいいと思います。
固形ワックスを持ち運んで塗るより、簡易ワックスのミニボトルを持ち運ぶのをお勧めします。

WAXの種類

WAXの種類

1.液体(リキッド)ワックス

ワックスに溶剤を混ぜ液体状になったワックス。
スプレー式などの簡易ワックスに使われている。
滑走面に塗る時は液体状だが溶剤が蒸発して固形になる。
溶剤が蒸発し固形化した後は凹凸があるため、コルクで伸ばす、ブラシで余分なワックスを取る必要があります。

2.固形ワックス / パラフィン系

パラフィン系ワックスは滑走面への吸着性、浸透性が高く市販されているワックスのほとんどに使用されています。 雪面温度により各メーカーとも数種類あり、雪面温度が低いほど基本的に硬いワックスとなります。 またこの後にご紹介する「フッ素系」「グラファイト系」のベース、つなぎとしても使われることがあります。

3.固形ワックス / フッ素系

フッ素系ワックスはフライパンなどに使われているものと同じく、摩擦性が少なく水分をはじくため、雪上では加速性がパラフィン系に比べると格段に上がります。
その反面、価格は高くなります。
パラフィン系と同じく雪面温度により数種類販売されています。
しかしパラフィン系に比べ滑走面への吸着性、浸透性は低い為、ベース、つなぎとしてパラフィン系を使うこともあります。
近年、環境問題もあり生産数が減少傾向にあります。

4.固形ワックス / グラファイト系

グラファイト系ワックスは主に春雪などのオイル、塵、黄砂などの不純物が多い雪質に対して使用します。
静電気がおこりにくく、逆にパラフィン系は静電気がおこりやすいため不純物を引き寄せてしまいます。
雪が多い場合は問題ないのですが、春雪などは不純物が溜まりやすく滑走性がすぐに落ちてしまいます。
また多くスキーやスノーボードの滑走面に使われているシンタードソールに対しては吸着性、浸透性がほとんどなく、グラファイト系を塗る際はベースにパラフィン系を塗りその上に塗る、またはパラフィン系と混ぜて塗るなど工夫が必要です。
一部のスキー、スノーボードなどに使われているグラファイトソールに対しては吸着性、浸透性は抜群です。

5.粉末(パウダー)ワックス

このタイプは「スタートワックス」と呼ばれ、レースや競技などのスタート前に塗るワックスとして使われるワックスです。
フッ素の含有量が多く、滑走性が上がるのですが、その反面、価格が非常に高いため、通常のスキーでは使えません。
滑走面に対しても吸着性、浸透性はほぼ無いので競技のスタート時の初速、加速性を稼ぐためワックスと言っていいと思います。
パウダー状なので取り扱いは非常に難しく風で飛んで行ってしまいます。

ワックスの購入はこちらから

WAXを塗る頻度は?

WAXを塗る頻度は?

ワックスは基本的に滑れば滑るほど滑走面から落ちていきます。
落ちるということは「滑りにくくなる」「スキーの滑走性の低下」を招くことになり、落ちた分、無くなった分を補ってあげなくてはいけません。
簡易ワックスの場合は、滑る本数によりますが休憩を入れる毎に塗り直すことをお勧めします。
ホットワックスの場合は下準備としての塗っては剥がす、の回数にもよりますが一般のスキー旅行(日帰り~4泊)程度なら十分効果を保てます。
現地にホットワックスをする環境と時間がある場合は塗り重ねすることをお勧めします。
レース、競技の場合はその都度、その日の雪温により塗り直す必要があります。

こんな時はスキーショップへご相談を!

こんな時はスキーショップへご相談を!

ワックスを塗るといっても色々なやり方、道具が必要になります。
ワックス塗ったことが無い方は簡単ワックスセットなどもございます。
ホットワックスは道具も様々、使用する固形ワックスもいろいろなメーカー、種類がございます。
最低限何があればいい? 何を選べばいいのかわからない・・・ そんな時などわからないことがあればスタッフにお尋ねください。

いろいろご説明しましたが・・・ ワックスは塗ると塗らないとでは大違い!!
簡易ワックスの簡単な方法からホットワックスの奥が深~いやり方までいろいろございます。
今まで塗ったことのない方は簡易ワックスを塗ることから!
簡易ワックスや生塗りをされていた方はホットワックスを挑戦してみてください。
絶対にスキーライフの向上につながります。

ワックスの購入はこちらから

この記事をシェアする

初級編 RANKING

コンテンツTOPへ
タナベスポーツ・ショッピングガイド